山道を早朝歩いていると竹林の中に変わった花が咲いているのに気付きました。ウラシマソウです。ウラシマソウは開花時期になると、花の中から細い糸のようものが伸びる特徴があります。その形が、昔話の浦島太郎が釣り糸を垂らしている様子を連想させることから「浦島草(ウラシマソウ)」と名づけられました。

ウラシマソウ大きな特徴は、名前の由来にもなっている個性的な花形です。ウラシマソウの黒っぽい花のような部分は「仏炎苞(ぶつえんほう)」といい、本当の花を包んでいます。苞の中にある付属体の先端部分が糸状に伸びます。仏炎苞の色は黒っぽい色が一般的ですが、赤褐色や緑白色、無地やストライプ柄もあります。

ウラシマソウの別の特徴は性転換植物であることです。ウラシマソウの花には雄花と雌花がありますが、成長具合や栄養状態によって、つける花が変化します。開花時期を迎えると、生育状態によって雄花になるか雌花になるかが決まります。若い株、または比較的小さい株は雄花、年を経て充実した株、大型の株は雌花をつけます。
ウラシマソウの花色は落ち着いた黒褐色なのに対して、果実は鮮やかな赤色で、トウモロコシに似た形です。ウラシマソウの果実は、最初は緑色ですが、夏頃に成熟すると赤色に変わります。おいしそうな果実ですが、残念ながら実にはサポニンという毒が含まれているため、食用にはなりません。

ウラシマソウは日本固有種ですが、絶滅危惧種にも指定されている希少な山野草です。しかし仙台郊外の公園、山ではよく見かけます。注意深く探さないと、藪(やぶ)の中に生えているので見逃してしまいます。


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